各種フィルム簡便物性表
   フイルム名物性         高圧  ポリ(低密度) 中低圧ポリ(高密度) 照射 ポリ ポリプロピレン 無可そ塩ビ 塩化ビニリデン アセテート ポリカ-ボネート ナイロン ビニロン ポリエステル 普通セロファン 防湿セロファン ポリセロ
比重 0.92 0.95 0.92 0.90 1.35 1.68 1.30 1.20 1.10〜1.20 1.30 1.38 1.40 1.40 1.00〜1.40
透明性 半透明
光沢
コシ強さ 不可 不可 不可
すべり 不可 不可
強度 不可 不可
伸び 不可 不可 不可 不可 不可 不可
耐薬品性 不可 不可
耐油性
耐水性 不可 不可 不可 不可
気体透明度
最高使用温度 70°〜85° 90°〜110° 90°〜350° 160° 60° 90°〜150° 135° 60°〜233° 260° 100°
最低使用温度 -60° -80° -60° -10° -20° -50° -100° -73° -60°
ヒートシール性 不可 不可 不可 不可 不可 不可
価格  低 やや高 やや高 やや高
おもなプラスチックの種類と特性
区別 樹脂名 見分け方・性質 落とすと割れるか 耐熱  温度 煮沸できるか 耐酸性 耐アルカリ性 耐アルコール性 耐食用油類性 主 な 用 途
ポリエチレン 水より軽く柔軟だが耐熱性に欠ける。耐薬品性、電気絶縁性は良い。 割れない 70〜110℃ 軟質=できない    硬質=できる バケツ,たらい,ゴミ容器,びん,かご,コップ,水筒,ゴミ袋
熱可塑性 ポリプロピレン ポリエチレンに似ているが耐熱性は良く、つやがある。 割れない 120℃ できる 洗いおけ,洗面器  ざる,かご,コップ,食卓用容器,食器
塩化 ビニル 樹脂 燃えにくい、水空気を通さない、軟質と硬質がある。 ほとんど割れない 60〜70℃ できない びん,ホース,とい,波板,電話器,水道管,使い捨て容器
スチロール樹脂 無色透明でたたくと金属性の音がする。キズがつきやすい。絶縁性が良い。 割れない物も有る 70〜90℃ できない 長時間使用すると透明になる 細かいひび割れが生ずることも有る 台所用,食卓用容器,パンケース,玩具,テープレコーダー用リール
AS 樹脂 スチロール樹脂に似ているがツヤが劣る。厚手・透明である。 ほとんど割れない 80〜100℃ できるものとできないものがある 繰り返し使用すると透明になる ジューサーケース,バッテリーケース,菓子器皿,扇風機の羽根
ABS 樹脂 透明性がやや劣る。強靭である。 割れない 70〜100℃ できるものとできないものがある 旅行用トランク,TV,ラジオ   ラジオ部品,容器,台所用具,家具
メタクリル樹脂 無色透明で光沢がある。ベンジン、シンナーに溶ける。 割れない 70〜110℃ できるものとできないものがある 照明板,義歯,広告燈,看板,皿,コップ,防風ガラス,卓上容器
ポリカーボネート 無色又はやや黄味を持った透明。酸に強いが、アルカリに弱い。 割れない 120〜130℃ できる ある限度まで耐える サラダボール,哺乳ビン ライター,機械部品
ポリアミド (ナイロン) 白色、不透明で耐磨耗性、耐寒性が良い。 割れない 80〜140℃ できるものとできないものがある 多少おかされるものもある 容器,びん,戸車,歯車,ファスナー,医療用具
アセタール樹脂 白色、不透明で強靭である。耐磨耗性が良い。 割れない 120℃ できる おかされるものもある 歯車,ファスナー,機械部品
酢酸セルローズ樹脂 セルロイドに似ているが、燃えにくい。 割れない 60〜90℃ できない 軟化する ふくれる場合も有る 録音用テープ,メガネ枠,自動車のハンドル,写真用フィルム,容器
ポリウレタン 硬質と軟質があり、スポンジゴムに似ている。 割れない 90〜130℃ できない 多少おかされる 多少おかされる ファッション材料,マットレス
熱硬化性樹脂 フェノール樹脂 強度・絶縁性・耐酸性・耐熱性・耐水性が良い。不透明で塗物に似る。燃えにくい。 割れる場合も有る 150℃ できる 盆,各種の管,手なべの取っ手,つまみ 電話器
ユリア 樹脂 無色で着色自由、フェノール樹脂に似ているが耐水性に弱い。燃えにくい。 割れる場合も有る 90℃ できない ボタン,キャップ,玩具 麻雀牌
メラミン 樹脂 ユリア樹脂に似ているが、強く耐水性も良い。陶器に似たツヤがあり表面は硬い。 割れる場合も有る 120℃ できる 盆,化粧板,電気,食器
不飽和ポリエステル樹脂 絶縁性・耐熱性・耐薬性良好。ガラス繊維で補強した物は強い。 ほとんど割れない 150℃ できる 椅子,浴槽,保安帽,ボート,釣竿,屋根材
グアナミン樹脂 100%グアナミン樹脂形成品はない。不透明でツヤが有る。 ほとんど割れない 120〜130℃ できる 食器,盆,灰皿
ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニルの分子構造
ポリエチレンは1933年イギリスの I C I社が世界で初めて、エチレン合成に成功し1939年に工業生産が実施された。 戦後わが国でも三井石油、住友化学で本格的に生産がはじめられた。
ポリエチレン ポリプロピレン ポリ塩化ビニル
〔CH2-CH2〕 〔CH−CH2〕 〔CH2-CH〕
CH2 C1  
ポリエチレン、ポリプロピレンがH(水素)とC(炭素)から出来ているのに対してポリ塩化ビニルは水素、炭素のほかにCI(塩素)が加わって組成されている。
ポリエチレンの製造法略図
低密度ポリエチレン   中密度ポリエチレン
天然ガス 高圧重合
エチレン (高圧法)
石油 低中圧重合 高密度ポリエチレン
(低中圧法)
共重合 共重合ポリエチレン
オレフィン、        ビニル化合物