「アイデンティティってなあに?」2
<管理人と番犬ムクの対話集>
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自分自身の物語は自分が作るの?


管理人と番犬のムクでどこまで行けるのでしょう


私が番犬のムクです

管理人:

前回は「私たちはどこから来てどこへ行くのか?」はただ考えているだけでは見付からなくて、自分の置かれた状況の中で、日々の生活やいろんな活動の積み重ねから自然に見えてくるんだと、ムクに指摘されたんだよね。
番犬ムク:

そのとおり、パパさんもわかったかしら。

管理人:


オホン、その程度のことは分かっているさ。そして人間には自分自身についての物語が必要なんだとパパが言ったら、キミが「日本の過去を巡る歴史認識てやつも、自分自身の物語として勝手に作れるわけ?」と切り込んできたんだよね。
キミは犬なのにどうしてそんな難しい問題を持ち出すのかね。

番犬ムク: 番犬だからでしょ。ドロボウさんは「私はドロボウです」なんて言うはずないでしょ。勝手な物語を持って乗り込んで来るかもしれないのよ。
管理人: おっしゃるとおりでした。キミは番犬のカガミだね。でも結論から言えば自分自身の物語は勝手に作れます。
番犬ムク:

何だそんないいかげんなものなんだ。

管理人: ちょっと待って。自分だけで勝手に作っても周囲の誰も認めなければ意味が無いから、周囲の人にぶつける必要があるんだよ。
番犬ムク: 周囲と相談して決めるんじゃ、自分自身で勝手に作れないってことね。
管理人:


そうとも言えないよ。自分自身と周囲のことをよく考えて物語をまず作る。そして作ってから周囲にぶつけるんだよ。
もし周囲からの受けが良くないところがあれば、キチンと説明するんだ。
説明できないようじゃ、それは物話じゃないんだよ。だから自分自身の物語を補強するために、ルーツを探るのは意味があるよね。
番犬ムク: じゃあ、自分自身の物語のぶつけ合いが必要ってこと?そんなのメンドクサイ!
管理人:

誰もキミには求めないさ。だってキミは保健所からウチにもらわれて来てから、直感だか本能だか知らないけれど、周囲の期待と相違なく自分自身の役割を果たして来たわけだからね。
番犬ムク:
あらそうかしら。でもドロボウさんでもビーフジャーキーを持って来たら、役割なんて忘れちゃうかも。
管理人: そうするとはじめて、アイデンティティの悩みが始まるんだな。
番犬ムク:

私はムクでアイデン・・・なんとかじゃありません。

管理人:
キミはムクでいいんだよ。簡単に言うと、これまで使って来た「自分自身の物語」のことを英語でアイデンティティ(identity)と言うんだけど、この「自分自身の物語=アイデンティティ」が自分で不安になる時、始めてアイデンティティは意識されるようになるんだ。
番犬ムク: ア〜ア、なんだか眠くなって来た。パパ私もう寝ます。オヤスミナサ〜イ。
管理人: なんだ、しかたがないなあ。今回はここまでですね。


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