ごあいさつ
(持続型日本文明の再構築を目指して)
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●世界の常識「日本文明」
日本の常識が世界での非常識である例は枚挙に暇がない。 文明として日本を見た場合がまさにそうであり、多くの日本人は自国の文明を中国文明の亜種ぐらいに思い込んでいる。
ところがハンチントンが「文明の衝突」で書いたように、世界の常識では「日本文明」は独立した文明として扱うことになっている。 これは文明論、文明史が学問として成立した20世紀前半のトインビーの頃からの定説である。

●日本文明の存在意義
では日本文明はなぜ他に類のない日本1国だけで独立した「文明」として扱われるのだろうか?
それは日本文明には、決して他の文明の亜種とは言えない特徴があるためである。
日本文明には特異な地理的条件、際立った行動原理とエネルギー、およびそれらに基づいた過去の実績がある。
具体的にはユーラシア大陸の東の果て、その先には太平洋しかない極東(Far East)の島であり、太古の昔から様々な集団が流れ流れて棲みついた場所である。
それらの集団が互いに交じり合いながら共存する生き方を身に付けることが出来、元寇等外部からの大きな圧力をも協力して跳ね返すことが積層され、実績となって行動原理が形成されたのだろう。
これこそが日本文明の今日的な存在意義だと考える。

●多様な生き方を変幻自在に調整できる日本文化
かつて学校で縄文から弥生時代へと直線的に時代が代わったかのように教えられて来たが、どうもそうではなく、地域的な偏在並行関係が長く続いたようだ。
少なくとも太陽を中心に「八百万の神々」(やおよろずのかみがみ)が共存する縄文文明は、今日まで生活文化の基底を支えるものとなってしぶとく残った地域が多く、21世紀の今日でも地域社会の「相互扶助」という精神的絆の名残りが存在している。
特に、突出することよりも集団全体での成果を重んじる気質は、オリジナリティ以上に改良技術を重視する日本型生産文化を特徴付けているとも言えるだろう。
いずれにしても競争原理によってお墨付きを与えられ、無慈悲な衝突が生み出す暴力と憎しみが世界を席巻している今日、古来から続く日本の生き方=多様な生き方を変幻自在に調整し、平和を保つ可能性のある日本文明が、世界の中で果たすべき役割は意外に大きいはずだ。

●生き方の共振現象
グローバリゼーションの掛け声の陰で、ややもすると忘れられたかに見えるオリジナルの日本文明は、一見衰退の一途であるかのように見せながら、表面上のかたちを変えてやがて立ち現れるはずである。
現代社会にあっては、伝統的な生き方に基づき、独自の価値観で活動している人々や事業は、それだけで注目に値する。
それぞれの活動は、一見したところ強くも大きくもはないものが多い。 しかしその生き方に接するとき、私たちの中に共鳴する振動を感ずるだろう。
物には必ず固有振動数がありこれに合う振動が伝わったとき、共振現象は大変な力になる。
人類に共通の固有振動数があるなら、日本文明は決して捨てたものではなく、世界の希望となる可能性がある筈なのだ。


平成20年(2008年)1月吉日

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