古民家・古材再生利用術(寓設計工房、横浜市)
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日本はかつては世界有数の木造建築の国でした。でも現在は全く違います。
戦災復興の名の下に昭和30年代以降、大都市での木造住宅の建築を困難にし、鉄筋コンクリート造等、燃えない街に誘導することを国策レベルで推進したことや、近年まで何でも欧米流の方がより良く思えていたこと、そして何よりも経済合理性一本槍で進めて来た我が国の文化性のため、古来伝わってきた伝統的な木造の技術がほとんど廃れてしまったからなのです。

寓設計工房を主宰する畠山さんは、元はといえば広大な杉林を持つ秋田の山持ちの惣領息子でした。でも昭和40年代以降は山持ち受難の時代が続いています。利用出来るところの木はもう切り尽くし、新たな木を伐採しようとすると道を付けるところから始まり、もう採算どころではなくなるからです。

一方我が国の木造建築は、昔から1度建てた建物を取り壊して捨てることはまれで、使える材料は再利用することが当たり前でした。その意味でリサイクルが徹底していたのです。

畠山さんは建築現場で出会う輸入材の質より、国内の杉やヒノキの方が日本の風土に合っていることを、だれよりも肌身に沁みて知っています。
そこで10年程前、たまたま古民家を解体して再利用する仕事に出会ったことがきっかけで、古材をリサイクルして新材より数等味わいのある建築を造ることに情熱を燃やしています。

木材は切られるまでの時間の倍は持つものといわれています。
ですから百年で伐採された木材は、百年間使われたとしても、またそこからモウ百年は使えることになります。
かつて私(池田)が英国はカンタベリーのホテルに泊まったとき、フロント廻りに遣われている木材がいかにも古そうだったので、ホテルが立てらた15世紀後半に伐採されたものかと思い聞いた所、そうではなくバイキング船に遣われていた竜骨をリサイクルしたものとのことで、さらに古いことがわかりました。
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このように木材はかたちや性質に合わせて、「適材適所」に遣うのが筋ですので、規格で統一する工業生産の発想とは馴染み難い面があります。
こうしたことがご理解いただける方で、古材の風合いをお楽しみになりたい風雅がお分かりいただける方は、是非畠山さんにご相談されることをお薦めします。


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