解決策はあるのか?
歴史認識すれ違いの基本問題3
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3.戦後秩序からの脱却

以上の問題を整理して見れば、中国側での問題点と同時に、説明・PR努力不足として片付けるには、あまりに不可解な日本政府の行動が浮かび上がって来る。

その理由について、下記のとおりの仮説を立てて考えれば非常に素直に説明が付く。
【仮説1】 第2次世界大戦後、日本は米国の植民地となっており、米国の世界戦略の駒として動かされている
【仮説2】

戦後の時間の経過とともに、戦勝国により作られた戦後秩序の有効性に綻びが生じている。言い換えれば地球環境時代、当時の勝者が敗者を支配する関係にはもは合理性が欠けているにもかかわらず、時代に逆行するかたちで新たな植民地主義と呼ぶべき力による全世界の支配がより明確化している。

ここでの
植民地とは?




従来の意味では「ある国の海外移住者によって新たに経済的に開発された地域。帝国主義国にとって原料供給地・商品市場・資本輸出地をなし、政治上も主権を奪われ完全な属領」(広辞苑)となっている。
しかしここでは以下のとおり、姿を変えて存在していると考えている。
20世紀後半以後植民地支配はより巧妙になり、「グロバリゼーション」等の言説を弄して、情報操作力を駆使し民主政府と言う名の傀儡政権樹立を前提に、経済と軍事の両面での支配により果実を得るもの。その最初の成功例が日本であり、以後、日本は米国にとって「民主化=現代型植民地統治」のモデルとなっている。

具体的仮説ストーリー(以下のCFが「想定」であり、それ以外は史実、現状認識に基づいている)
@ 大東亜戦争で日本を破った米国は、日本が二度と米国の進路の障害とならないように、日本国民に常に罪悪感を持たせ、誇りを感じさせない為の政策、「War guilt information program=日本国民総戦犯意識化計画」を導入し、占領政策(植民地化政策)の基本とした。(記録・証言あり)

A その上で大東亜戦争を日本の一部の軍国主義者が惹き起こしたアジア侵略戦争だとし、その責任者達をA級戦犯と設定し断罪した。
B 国権の基本である自主軍事力の放棄に加えて、米軍による占領とその後の庇護体制により米国は日本を植民地として支配することになった。

C 日本の歴代の首相は就任とともに、これら事実を告げられ、主体的な活動を制限されて来た。
D この枠組みを基本として戦後の秩序が作られ、日中間においても極東軍事裁判にてA級戦犯として裁かれた高官達を侵略戦争の主犯格として仕立て、日本国民と中国はともにこれら極悪人の被害者だったとして、平和条約が締結された。

E 国連は先の戦争の戦勝国の連合体であり、いわゆる「敵国条項」つまり国連憲章107条に明記されているとおり、大東亜戦争にて失った領土、資産(人的資源=拉致被害者)について、戦後60年の今日でも周辺国は日本からの返還請求を拒否できることになっている。

F 以上のように日本は米国の植民地なのであり、本質的に自主的な外交は支配国米国から許されてはいない。首相は米国の傀儡政府の首相として、対外的な行動、および決定には米国の承認および指示が前提となっている。

G つまり日本政府の対外的な活動は米国のシナリオに基づいて展開されており、現在の日本外交も米国の世界戦略の一翼を担うかたちとなっている。

注)国連憲章第107条
この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

こうした状況、つまり不信と復讐心に裏打ちされた軍事・経済力による支配体制から脱却するためには、連合国側に正義があり、日本は侵略国だったとする戦勝国側による歴史の一方的な改竄から立ち直り、今日的な視点からの大東亜戦争の意味の問い直しと、対外的に対等な関係の構築を行わねばならない。

もとより、その為には欧米列強の植民地支配がひしめく当時の日本を取り巻く状況では、他に方法がなかったとする日本側の論理が、中国等戦場となった側から容易には受け入れ難いものであることも改めて認識せねばならない。
また今日中国等アジア諸国に進出している日本企業の活動にも細心の配慮が必要であり、「その社会に貢献すべく活動し、結果として自社も潤う」ように自身を厳しく律する姿勢を再構築せねばならない。

しかしながらそれらに配慮したとしても、なお問題は解決するとは考えられない。

4/4につづく


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