解決策はあるのか?
歴史認識すれ違いの基本問題4
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4.脱出口


この問題の本質的は以下のような視点に立つことで出口が見えて来る。

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日本と中国が無益に対立し合うことは両国存亡の危機を招くだけである。

なぜならば今や世界唯一の強大国となった米国は、その世界戦略として
【その1】全世界に浸透させることに成功しつつある「米国流民主主義こそ正義」の理念を掲げ
【その2】米軍の通信システムの発展型であるインターネットを筆頭とする情報操作力を駆使
【その3】イラク戦争に見られるように軍事力により決済通貨としてのドル体制を維持し
【その4】基軸通貨を握り為替/株式市場への影響力を駆使することで世界の富を制度的に強奪
     等々の軍事・経済的支配により、米国中心の秩序を構築している。

この観点から見れば、日本は明らかに敗戦時から今日に至るまで、実に巧妙に米国にとって無害化、植民地化されており、今や中国がそのレールに乗っているというべきである。
「植民地からの脱却を目指す日本」と「新たな植民地化を阻止せねばならない中国」は、相互の衝突は止めなければならない。

A 日本において意識の変曲点を作る為には

「米国の理念である民主主義の名の下に、米国自身の民主主義への背信行為を指摘すること」が有効な戦略である。
その具体策として増田俊男氏が唱えるところの「広島、長崎への原爆投下、東京大空襲等をジェノサイトと認定し、勝者が敗者を裁くと言うおよそ民主主義の正義にもとる極東軍事裁判の誤りを認め、日本への米国大統領の謝罪演説」を引き出すことが、現在の国際状況では日米両国民の覚醒を促す効果の点でもっとも効果的な道であろう。
この自己矛盾の指摘による自縄自縛化誘導戦略こそが、「自ら仕掛ることなく勝つ」日本の古武道に見られる日本型の勝ち方だとも言える。

 
この路線を進められるのは「取引」の結果であり、日本がいよいよ強欲資本主義に組み込まれてしまうことと表裏の関係であることを示すことになるが、実際問題として今日の日本の状況を見れば当然これ位の対価は引き出せるはずである。


B その一方で、日本が「米国流民主主義こそ正義」の代わりに、世界に対して示すべきものがある。
【その1】日本が伝統的に保って来た相互扶助型の社会
【その2】自然と人間がともに作り上げた里山型生産システムに代表される日本型の社会・生産一体化システム
【その3】企業活動の分野に於いて、社員・消費者優先型資本主義により株主優先型資本主義に克つこと
これら総体として経済成長なしでも繁栄できる持続型日本型システムである。

C 地球環境時代として有限な地球環境が意識される21世紀、もはや従来型の経済成長優先型思考は通用しない。
にもかかわらず依然として経済成長が社会の力を図る尺度として使われているのは、他に置き換えられる尺度が確立していないこともあるが、米国型の価値基準に未だ多くの国も個人も服従せざるを得ないと認識している為である。
この米国型の経済成長依存の世界秩序に対して、日本型の社会モデルを対峙するかたちで提示して行くことこそが、日本の生きる道であろう。
その為の手立ては身近なところにある。当websiteで取り上げている様々な活動もそうしたものの例である。
中でも中川博迪氏の活動はだれでも参加でき、参加するうちに自然に具体的な意味が理解できるという意味でもっとも手近なものであろう。


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